歯科疾患実態調査資料による歯磨き回数のコウホート分析

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タイトル別名
  • A Cohort Analysis of Toothbrushing Frequency from Reports on the Survey of Dental Diseases

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説明

日本人の歯磨き行動のうち,1日の歯磨き回数に焦点をあて,時代・年齢・出生コウホート(世代)別の違いを検討した。資料は最近4回の歯科疾患実態調査資料を用いた。分析には,等計量線図およびベイズ型コウホートモデルによるコウホート分析を用いた。その結果,1:平成5年において,男性の13歳から65歳で,女性の5歳から74歳で90%以上が毎日歯を磨いていた。「毎日磨く者」の男性は全時代に渡って増加していたが,女性では,最近の増加は頭打ちである。2:各回数ごとの年齢効果から,女性の20代の年齢層は,これまで日本人の歯磨き行動をリードしてきたように見える。3:男女の昭和30年生れ以降の世代で,「一日1回磨く者」が減り,「2回ないしそれ以上磨く」ようになった。これは学校教育の影響によるコウホート効果であると考えた。4:最近の調査で,小学生,20歳台,老人で「3回以上磨く者」が多くなってきたが,コウホート効果の現われ方は弱く「一日3回以上磨く」ことは必ずしも習慣化しないようである。5:一般に歯磨きの目的は歯科疾患の予防といわれるが,時代の流行や年齢の違いとともに,本人と社会との関わりの強さに一日の回数が左右されることなどがわかった。

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参考文献 (43)*注記

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