介護領域における口腔ケアの問題点―ワークショップからの問題点抽出―

  • 松山 美和
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部口腔保健学講座口腔機能福祉学分野
  • 梶原 美恵子
    福岡県歯科衛生士会

書誌事項

タイトル別名
  • Oral Health Care Issues in Nursing Facilities for the Elderly Identified in a Workshop for Care Workers
  • カイゴリョウイキ ニ オケル コウコウ ケア ノ モンダイテン : ワークショップ カラ ノ モンダイテン チュウシュツ

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抄録

<p> 介護領域にも口腔ケアの重要性や必要性は浸透し,実際の現場における口腔ケアの問題点は漠然と把握されているが,明確化されていない.そこで,介護従事者対象の「口腔ケア研修会」においてワークショップを行い,得られたプロダクトから介護の現場における口腔ケアの問題点を抽出し明確化することを目的とした.</p><p> 平成21年度福岡市介護保険事業者研修会「口腔ケアについて」にて,全参加者67名を11グループに分け,ワークショップを行った.各グループで口腔ケアの問題点をKJ 法により明確化し,さらに二次元展開法を用いて問題点の重要度と緊急度を検討した.完成したプロダクトを調査対象とし,名札数および重要度と緊急度の順位を解析した.11枚のプロダクトには69枚の名札が表記され,多いものから「ケア拒否・非協力」,「スタッフの知識・技術不足」,「義歯関連」「口腔機能低下」であった.解決の優先順位が高いものは「評価法やマニュアルがない」,次いで「スタッフの知識・技術不足」であった.歯科から介護領域へのこれらの解決法に関する情報提供が有意義であると考えられた.</p><p> 以上より,介護従事者がワークショップにおいて作成したプロダクトは歯科関係者にとって介護の現場における口腔ケアの問題点が把握できるよい材料であり,また,ワークショップ自体は歯科からの情報発信だけでなく双方向の情報交換に役立ち,菲薄な両者の関係を緊密化する可能性が推考された.</p>

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