若年層~壮年層における結核死の社会経済的要因に関するシステマティックレビュー

書誌事項

タイトル別名
  • SOCIO-ECONOMIC FACTORS THAT INFLUENCE TUBERCULOSIS DEATH AMONG THE YOUTH AND MIDDLE-AGED POPULATION: A SYSTEMATIC REVIEW
  • ジャクネンソウ~ソウネンソウ ニ オケル ケッカクシ ノ シャカイ ケイザイテキ ヨウイン ニ カンスル システマティックレビュー

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説明

<p>〔目的・方法〕本邦での結核の死亡率の減少率は過去10年間で9%となっており,2012年の死亡率は人口10万対1.7である。その主要因は本邦における結核患者の高齢化であり,主に臨床的因子が報告されている。一方で若年層~壮年層(15~59歳)における結核死においては社会経済的な因子の影響が示唆されているが,報告間や方法論でばらつきがある。本研究では既存の文献を整理・再検討し,日本における若年層~壮年層の結核死において介入の可能性を探ることを目的とし,システマティックレビューを行った。〔結果〕結核死の主な社会経済的危険因子は無職,教育年数,ホームレス・ホームレス歴,薬物依存,飲酒,外国生まれ・外国籍,移民などが報告されていた。〔考察〕多くは貧困の間接的なマーカーになるものであり,本邦においても特に若年者の結核死に社会経済的因子が強く関連していることが示唆されている。結核死は早期発見によって減少が可能である。受診行動を促すためにも保健や医療のみならず,就労支援や福祉,アルコールおよび薬物依存からの回復支援などといった多様な領域と協調した結核対策が必要だと考える。</p>

収録刊行物

  • 結核

    結核 89 (5), 547-554, 2014

    一般社団法人 日本結核・非結核性抗酸菌症学会

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