通年性アレルギー性鼻炎に対する高周波凝固術

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Effect of Bipolar Radiofrequency Thermotherapy on Allergic Rhinitis
  • 通年性アレルギー性鼻炎に対する高周波凝固術--2カ月後と2年後の治療成績
  • ツウネンセイ アレルギーセイ ビエン ニ タイスル コウシュウハ ギョウコジュツ 2カゲツゴ ト 2ネンゴ ノ チリョウ セイセキ
  • —2カ月後と2年後の治療成績—

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抄録

近年下鼻甲介の肥大性病変に対する治療として, 高周波電気凝固術の有用性が報告されている. われわれは, 2003年よりCelon社製のBipolar radiofrequency applicatorを用い, アレルギー性鼻炎による下鼻甲介の肥大性病変に対する治療を行っている. すでに2カ月後の有効性について報告したが, 今回は2年間経過を追えた症例の有効性について検討することを目的とした. 2003年2月から8月までに聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科を受診し, 通年性アレルギー性鼻炎に対する高周波電気凝固術を行い2年間経過を追えた16例を対象とした. 外来で局所麻酔下に下鼻甲介後端から順次電気凝固を行った. 治療効果の評価にはVAS scoreおよびアンケートを用いた. 鼻閉, 鼻汁, くしゃみの術後2年目のVAS scoreは, 術前のVAS scoreと比較しすべて統計学的に有意 (鼻閉: P<0.0001, 鼻汁: P<0.0001, くしゃみ: P<0.0001) な改善を認めた. また2カ月後と比較しても有意な改善を認めた. 今回の検討から高周波電気凝固術の効果が2年間減弱せず, 2カ月から2年の間もさらに有効性が向上していることが確認できた. アンケートでも鼻の症状は改善しており, 治療に対して高い満足度が得られた. 鼻腔通気度検査でも, 本法により統計学的に有意な, 通気度の改善を認めた. さらに, 術前と比較し術後は統計学的に有意 (P<0.05) に鼻処置による鼻腔通気度の改善度が減少した. 高周波電気凝固術により下鼻甲介の肥大性病変による症状はほとんどの症例で改善した. 本法は合併症も少なく, 外来で簡単に行うことができ, 下鼻甲介の肥大性病変に対し有効な治療法の一つと考えられた.

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