声帯溝症に対する新しい外科的治療―レーザー蒸散術と声帯内自家脂肪注入術の併用―

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タイトル別名
  • New Operation for Sulcus Vocalis-Laser Vaporization of the Sulcus with Fat Injection-
  • セイタイ コウショウ ニ タイスル アタラシイ ゲカテキ チリョウ レーザー ジョウサンジュツ ト セイタイナイ ジカ シボウ チュウニュウジュツ ノ ヘイヨウ
  • —Laser Vaporization of the Sulcus with Fat Injection—
  • ―レーザー蒸散術と声帯内自家脂肪注入術の併用―

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抄録

声帯溝症の治療は音声治療から手術治療まで数々の方法が報告されているが, 治療に難渋する疾患の一つである. 今回われわれはKTPレーザーによる声帯溝の辺縁を蒸散し声帯内自家脂肪注入を併用する手術治療を行うことにより, 音声改善において良好な結果が得られたので報告する. 方法は経口挿管・全身麻酔下に, まず腹部の脂肪を18G注射針にて採取し (松永法), その後ラリンゴマイクロサージャリーに準じて喉頭展開し声帯を明視下におく. 次に両側声帯の溝のエッジを蒸散するようにKTPレーザーの照射を行う. 採取した脂肪は, 喉頭注入針にて経口的に両側甲状披裂筋内に約1ccずつ注入する. 以上の手技を行うことにより声帯に新しい振動面が作られ, 今まで溝によって障害されていた声帯振動が改善しその結果, 音声改善が得られると考えている. この手技を7例に施行し全例にて聴覚印象の改善を認め, 6例で最大持続発声時間の改善を認めた. 本手技は声帯溝症の新しい治療法として期待できる方法であると考える.

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