オフィスサージャリーの適応と限界  耳鼻咽喉科のオフィスサージャリー―口腔・咽頭・頸部領域―

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タイトル別名
  • ダイ107カイ ニホン ジビ インコウカ ガッカイ ソウカイ シンポジウム オフィスサージャリー ノ テキオウ ト ゲンカイ ジビ インコウカ ノ オフィスサージャリー コウクウ イントウ ケイブ リョウイキ
  • 耳鼻咽喉科のオフィスサージャリー -口腔•咽頭•頸部領域-

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説明

口腔•咽頭,頸部領域の手術は今後,病院やサージセンターでの短期入院手術が中心となるであろう.それより侵襲の少ない手術や処置は診療所レベルで行うのが望ましいが,さまざまな環境条件の悪化から診療所ではオフィスサージャリーがあまり行われていない.しかし,診療の質を高め,患者満足度を向上させるためにはやはりそれらをある程度は行うべきである.口腔,咽頭の悪性腫瘍疑いの場合の生検や,頸部リンパ節転移や悪性リンパ腫が疑われる場合のリンパ節生検に関しては,侵襲や手技の容易さから見るとオフィスで十分行いうるものではあるが,大局的にみれば,生検後の治療を担当する医師自らが生検を行うのが望ましいので,問診と視触診のみで判断し,すぐに紹介先の病院に送る方がよい.<br>下口唇嚢胞や舌の良性腫瘍などの切除に際しては挟瞼器を使用すると,軽い自動牽引と止血の両目的に適う.重宝する器具である.唾石の摘出では奥の側から局麻を行うことと,なるべく正中よりのものを対象にすることで,合併症を防止できる.扁桃周囲膿瘍は膿の穿刺吸引と抗菌薬投与でほとんどの症例を治癒せしめることが出来る.穿刺にあたっては最膨隆部(とその1cm下)をねらい,深さは20mm以内とし,外側へ向かうことは避けることが安全•有効に行うコツである.いびきにはラジオ波による処置が安全で有効である.リンパ管腫,がま腫,正中頸嚢胞などではOK-432注入療法が有効なことが確立してきた.適応の選択さえ誤らなければ極めて優れたものであるので,習得しておくべき手技である.

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