口腔アレルギー症候群におけるシラカバ花粉リコンビナントアレルゲンに対するIgE抗体価

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タイトル別名
  • Relationship between IgE Antibodies to Recombinant Allergens rBet v 1 and rBet v 2 and Food Causing Oral Allergy Syndrome in Cases of Birch-pollen Allergy
  • コウクウ アレルギー ショウコウグン ニ オケル シラカバ カフン リコンビナントアレルゲン ニ タイスル IgE コウタイカ

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抄録

【目的】シラカバ花粉にアレルギーを有する患者は, 免疫学的な交差反応性のため, リンゴなどの果物や野菜を食べるときの口腔や咽頭の過敏症をしばしば訴える. 現在, こういった現象は時に随伴する全身症状とともに, 口腔アレルギー症候群oral allergy syndrome (OAS) と呼ばれ, 交差抗原としてはシラカバ花粉の主要抗原であるBet v 1とプロフィリンであるBet v 2が挙げられている. われわれはOASの原因抗原と原因食物との関係を調べた.<br>【方法】対象はシラカバ花粉IgEが陽性のOAS例60例である. リコンビナント抗原であるrBet v 1とrBet v 2およびモモのLTP (lipid transfer protein) であるrPru p 3に対するIgEをCAPシステムで測定し, IgE抗体の有無と問診上のOASの原因食物との関係を調べた.<br>【結果】各CAPの陽性率はrBet v 1が100% (60例), rBet v 2が15% (9例), rPru p 3が0% (0例) であった. OASの原因食物としてはバラ科食物がもっとも多く, Bet v 1 CAP陽性はバラ科食物のOASと関連していると思われた. 一方, rBet v 2 CAPは陽性例と陰性例ともにバラ科食物のOASが多く, 非バラ科食物であるメロンとスイカのOASはrBet v 2 CAP陽性例に多かった. またクラスター分析や一致係数でも非バラ科食物 (メロン, スイカ, キウイ) のOASはrBet v 2 CAP陽性と関連し, イネ科やヨモギ花粉CAP陽性とも関連していた.

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