篩骨洞癌に対する前頭蓋底手術の適応と安全性

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タイトル別名
  • Combined Anterior Craniofacial Resection for Locally Advanced Ethmoid Carcinomas
  • フルイコツドウガン ニ タイスル ゼン ズガイテイ シュジュツ ノ テキオウ ト アンゼンセイ

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【目的】前頭蓋底手術を施行した篩骨洞癌症例について臨床的検討を行い, 篩骨洞癌に対する前頭蓋底手術の妥当性と安全性について考察する.<br> 【対象・方法】2001年から2013年に前頭蓋底手術を施行した篩骨洞癌の13例を対象とした. 13例中8例がさまざまな初回治療後の腫瘍残存あるいは再発例に対する救済手術であり, 他5例は一次治療の一環として手術を行った. 男性10例, 女性3例で, 初診時年齢は34~79歳 (中央値58歳), 観察期間は9~133カ月 (中央値58.9カ月) であった. 初回治療時の病期診断は T4a が6例, T4b が3例, T3 が3例, T2 が1例であり, 頸部リンパ節転移例, 遠隔転移例はなかった.<br> 【結果】全症例で腫瘍は一塊切除された. 全症例に対して, 冠状切開および前頭開頭を施行し, 腫瘍の進展範囲に合わせて, 症例ごと皮膚切開や術式を追加した. 13例中4例で患側の眼窩内容摘出を行った. 術後2例に硬膜外膿瘍を認めたが, ほかに特に重篤な合併症を来した症例はなかった. 局所再発を認めたのは4例であり, そのうち3例が術後9カ月・11カ月・49カ月で原病死に至った. 5年粗生存率は75.2%であった.<br> 【まとめ】前頭蓋底手術は局所進行したさまざまな術前治療後の篩骨洞癌に対する治療として適切に手術適応を考慮することにより安全で有用な方法であると考えられた.

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