耳鼻咽喉科領域の画像評価

  • 尾尻 博也
    東京慈恵会医科大学放射線医学講座 東京歯科大学市川総合病院放射線科

書誌事項

タイトル別名
  • 第114回日本耳鼻咽喉科学会総会臨床セミナー 耳鼻咽喉科領域の画像評価 : 鼻副鼻腔および側頭骨領域
  • ダイ114カイ ニホン ジビ インコウ カガクカイ ソウカイ リンショウ セミナー ジビ インコウカ リョウイキ ノ ガゾウ ヒョウカ : ハナ フクビコウ オヨビ ソクトウコツ リョウイキ
  • ―鼻副鼻腔および側頭骨領域―

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抄録

耳鼻咽喉科領域の画像診断の対象として, 鼻副鼻腔領域の炎症性病変, 側頭骨の真珠腫を取り上げる. いずれも耳鼻咽喉科領域の日常診療において, 比較的高い頻度で扱われる病態であり, 画像評価対象となる場合も多い. 画像診断ではある特定の病態・症状に対して過不足なく情報を獲得するためには系統的な評価が必要となる. 鼻副鼻腔の炎症性病態では (1) 副鼻腔の発達の確認, (2) 正常変異の確認, (3) 鼻副鼻腔領域の含気の状態, (4) 病態の確認・特定, (5) 病変の程度・範囲, 合併症の有無の確認につき, 評価を行うのが論理的であるが, 本稿では鼻副鼻腔領域の代表的な炎症性病変として慢性鼻副鼻腔炎, 好酸球性副鼻腔炎, 歯性上顎洞炎, 真菌性副鼻腔炎の画像所見を記述する. 側頭骨の中耳真珠腫 (あるいはその疑い) では, (1) 鼓室, 乳突洞・蜂巣の発達の確認, (2) 鼓室内の含気 (異常軟部濃度の有無) の確認, (3) 軟部濃度病変の局在の把握, (4) 骨侵食性変化の有無・部位の確認, (5) 頭蓋内合併症の評価, (6) 正常変異の確認につき, 系統的な評価を行う. 骨侵食性変化ではscutum, 耳小骨の他, 顔面神経管, 半規管骨壁, 天蓋などが重要となる. また, 術後症例では (1) 術式の確認, 鼓室・乳突腔の含気の確認, (2) 真珠腫再発の有無, (3) columellaや残存する耳小骨の状況の把握などが重要となる. 上記の系統的評価項目につき実際の症例の画像を提示し, 概説する.

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参考文献 (3)*注記

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