耳鼻咽喉科医に求められる嚥下障害診療とは?

書誌事項

タイトル別名
  • What Is the Role of Otolaryngologists in Deglutition Practice?
  • 耳鼻咽喉科医に求められる嚥下障害診療とは? : 板橋区における多職種アンケート調査より
  • ジビ インコウカイ ニ モトメラレル エンカ ショウガイ シンリョウ トワ? : イタバシク ニ オケル タショクシュ アンケート チョウサ ヨリ
  • ―板橋区における多職種アンケート調査より―
  • ―A Survey for Medical Practitioners in Different Fields―

この論文をさがす

抄録

超高齢社会の到来により, 嚥下障害を有する患者が急増している. これに呼応し, 胃瘻造設術が2000年代から爆発的に普及した結果, 倫理面, 医療経済面でその是非が問われ, 平成26年度の診療報酬改定では, 胃瘻造設前嚥下機能評価が新設されるなど, 嚥下障害診療の需要が高まっている. そこで, 東京都板橋区内の耳鼻咽喉科医, 病院・在宅診療所の嚥下障害診療担当者, 歯科医を対象とした嚥下障害診療に関するアンケート調査を通じて, 耳鼻咽喉科医の嚥下障害診療への対応に関し考察を行った.<br> 調査の結果, 耳鼻咽喉科医に期待する役割として, 在宅診療所群と歯科医群は嚥下内視鏡検査による病態評価を, 病院群は外科治療を, 過半数以上の施設が挙げていた. また, 耳鼻咽喉科医との連携がない施設では, 在宅診療所群では64%, 歯科群では47%が連携できる耳鼻咽喉科医の不在を理由に挙げていた. 在宅診療所群からは, 自由意見として短期入院や在宅診療での嚥下機能評価の要望があった. 耳鼻咽喉科群では, 40%の施設で嚥下機能評価を施行しており, 施行していない施設では, 人的資源と設備の不足を挙げている施設が多かった.<br> 耳鼻咽喉科医は, 誤嚥が生じる場である咽喉頭を専門とし, 局所の器質的疾患の診断から背景疾患の理解, 全身管理までが可能である. 耳鼻咽喉科医の本領域における組織的な参画, 指導的な関与が急務であると考えられた.

収録刊行物

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (4)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ