止血能を有するナノ粒子(血小板代替物)の開発と現状

  • 岡村 陽介
    東海大学創造科学技術研究機構ナノ生体材料学研究室 早稲田大学欧州バイオメディカルグリーンサイエンス研究所
  • 武岡 真司
    早稲田大学欧州バイオメディカルグリーンサイエンス研究所 早稲田大学大学院先進理工学研究科生命医科学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • 他領域からのトピックス 止血能を有するナノ粒子(血小板代替物)の開発と現状
  • タ リョウイキ カラ ノ トピックス シケツノウ オ ユウスル ナノ リュウシ(ケッショウバン ダイタイブツ)ノ カイハツ ト ゲンジョウ
  • [Development of nanoparticle for coagulant].

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抄録

血小板は, 血液凝固系と連動した巧妙かつ複雑な止血機構を有しており, これらすべての機能を人工系で模倣することは非現実的といっても過言ではない. 感染の危険性がなく長期間保存可能な血小板代替物として, 生体投与可能なナノ粒子に活性化血小板を認識できる分子 (フィブリノーゲンγ鎖C末端ドデカペプチド, HHLGGAKQAGDV: H12) を担持させることで, それが血管損傷部位へ特異的に集積して血栓形成を誘導する起点となり, 集積したナノ粒子によって出血部位を充填し止血能を補助できるとの発想に基づいて, 極めて単純な血小板代替物を設計した. さらに, 血小板凝集を惹起するアデノシン5'-二リン酸 (ADP) をリポソームの内水相に封入することで止血能を増幅させることにも成功している.

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参考文献 (68)*注記

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