中咽頭癌に対する選択的急速動注化学放射線療法の治療成績

  • 深堀 光緒子
    久留米大学医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
  • 千年 俊一
    久留米大学医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
  • 前田 明輝
    久留米大学医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
  • 梅野 博仁
    久留米大学医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
  • 中島 格
    久留米大学医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Treatment Results of Selective Intra-arterial Chemoradiotherapy for Oropharyngeal Carcinoma
  • チュウ イントウガン ニ タイスル センタクテキ キュウソクドウ チュウ カガク ホウシャセン リョウホウ ノ チリョウ セイセキ

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抄録

近年,中咽頭癌に対する選択的動注化学療法の有用性についていくつかの検討がなされているが,治療方法やその効果は施設によって異なっている。今回,当科で行った中咽頭癌に対する選択的急速動注化学放射線療法の治療成績について報告する。対象は,2002年12月から2008年12月までに治療を行った中咽頭癌14症例で,病期分類はII期が3例,III期が3例,IV期が8例,亜部位別には側壁型6例,前壁型5例,上壁型3例,であった。動注はCDDPを使用し,投与回数4回 (1回/週) を基本として行った。総線量は60~81.4 Gy (平均65.3 Gy) で,腫瘍の縮小効果に乏しかった症例を含めて全例で治療を継続した。結果,原発巣に対する奏効度はCRが12例 (85.7%),PRが2例 (14.3%),リンパ節に対する奏効度はCRが4例 (57.1%),PRが2例 (28.6%),NCが1例 (14.3%) であった。転帰は,原発巣死4例 (28.6%),リンパ節残存2例 (14.3%),非担癌生存7例 (50%),他病死1例 (7.1%) であった。また,亜部位別の局所制御率は側壁型75%,前壁型66.7%,上壁型33.3%であった。選択的動注化学療法は局所制御と機能温存の面から進行前壁型癌で良い適応となると考えられた。側壁型・上壁型に対しては,局所制御や有害事象の問題および技術的な面からも適応を慎重に決定すべきと考えられた。

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