甲状腺未分化癌10例の臨床的検討

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Study of 10 Cases of Anaplastic Carcinoma of the Thyroid
  • コウジョウセン ミブンカ ガン 10レイ ノ リンショウテキ ケントウ

この論文をさがす

説明

1994年2月から2006年10月までに兵庫県立がんセンターで治療した甲状腺未分化癌10例を検討した。男性5例,女性5例,年齢は47歳から84歳,中央値65.5歳であった。予後は,長期生存1例,原病死8例,他病死1例であった。原病死の内訳は,原発巣死4例,遠隔転移死4例であった。死亡した9例は,治療開始後1年以内に死亡していた。<br>手術は6例に施行した。6例全例で術後放射線療法を行い,2例では化学療法を行った。手術は,肉眼的全摘除手術3例,腫瘍減量手術3例であった。長期生存例は1例のみで,術前は扁平上皮癌と診断し,導入化学療法,咽喉食摘を含む拡大切除,術後照射を施行した症例であった。手術例6例のうち3例に気道狭窄による窒息が認められた。手術を行わなかった4例では化学療法と放射線療法を行ったが,3例に遠隔転移死が認められた。<br>生存期間における在宅期間の割合は,手術例では高率で,手術非施行例では低率であった。手術非施行例に比較し,腫瘍減量手術例の在宅期間の割合は高率でQOLが向上する可能性はあったが,生存期間の延長はなく,局所の制御は不良で,腫瘍減量手術の有効性は認められなかった。

収録刊行物

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (15)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ