長時間作用型吸入抗コリン薬(チオトロピウム)による喉頭の乾燥症の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Xero-laryngitis Induced by Use of Long-acting Type Anti-cholinergic (Tiotropium Bromide Hydrate) Inhaler
  • チョウジカン サヨウガタ キュウニュウ コウコリンヤク チオトロピウム ニ ヨル コウトウ ノ カンソウショウ ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

近年,本邦においても,慢性閉塞性肺疾患(COPD)の増加が懸念されている。COPDの薬物療法には,吸入抗コリン薬が,単独でも十分な効果があり,全身的副作用が少ないことから多く使用されている。われわれは,最近開発された長時間作用型の吸入抗コリン薬(チオトロピウム)の使用により,喉頭内腔が湿潤性を失い嗄声をきたした症例(“喉頭乾燥症”と仮称した)を経験したので報告する。<br>症例は,60歳の男性。2カ月前から,声の出し難さと,嗄声が出現し,改善しないため,当科を受診した。喉頭内視鏡で観察を行ったところ,披裂間部および声帯後方に痂皮を伴う粘膜の湿潤性低下を認めた。詳しく問診を行ったところ,2カ月半前から,COPDに対して長時間作用型の吸入抗コリン薬(チオトロピウム)が投与されていたことが判明した。そこで,同薬を中止したところ,約1カ月で,喉頭内視鏡所見と嗄声は完全回復した。

収録刊行物

参考文献 (16)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ