成因の異なる良性食道気道瘻3例の外科治療

  • 岩崎 洋
    大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科
  • 大杉 治司
    大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科
  • 竹村 雅至
    大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科
  • 李 栄柱
    大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科
  • 岸田 哲
    大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科
  • 福原 研一朗
    大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科
  • 西澤 聡
    大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科
  • 形部 憲
    大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科
  • 吉田 佳世
    大阪市立大学大学院医学研究科消化器外科

書誌事項

タイトル別名
  • Three Cases of Surgical Repair of Benign Esophagotracheal Fistula Caused by Different Etiologies
  • 症例報告 成因の異なる良性食道気道瘻3例の外科治療
  • ショウレイ ホウコク セイイン ノ コトナル リョウセイ ショクドウ キドウロウ3レイ ノ ゲカ チリョウ

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説明

成因の異なる良性食道気道瘻3例を経験した。症例1: 63歳,男性。食道癌に対し,60Gy照射した1年後に咳嗽と胸痛が出現した。内視鏡で食道と左主気管支間に瘻孔を認めたが,ステントにて瘻孔を遮断できず,右開胸下に瘻孔辺縁の食道壁によるパッチ閉鎖および食道癌根治術を行った。瘻孔部に癌遺残はなく,放射線傷害による食道気管支瘻と診断した。症例2: 56歳,男性。胆嚢摘出術後に左肺炎を繰り返した。胸部X線で左下肺野の肺炎像を,食道造影で中部食道の憩室から左下気管支へ造影剤の流入を認めた。左開胸下に憩室と左主気管支間に索状物,また左肺下葉の器質化を認めた。Braimbridge I型の先天性食道気管支瘻と診断し,憩室切除と左肺下葉切除を行った。症例3: 31歳,男性。交通事故での胸部外傷後,摂食時に咳嗽が出現した。内視鏡で膜様部欠損による食道気管瘻を認めた。外傷性食道気管瘻と診断し,右開胸下に瘻孔辺縁の食道壁によるパッチ閉鎖を行い,食道壁はGambee縫合で閉鎖した。良性食道気道瘻では食道や気道の狭窄を伴うことが少なく,ステントによる瘻孔遮断は無効なことが多い。手術による瘻孔閉鎖が有効である。

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (20)*注記

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