乳幼児に対する気管切開術の検討

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  • Tracheostomy in Children : A Clinical Study
  • ニュウヨウジ ニ タイスル キカン セッカイジュツ ノ ケントウ

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抄録

当科で2004年から2009年に気管切開術を施行した6歳以下の乳幼児44例 (男児25例,女児19例) について検討した。28例は0歳児であり,手術適応は気管狭窄例が17例,呼吸管理目的が27例であった。<br>手術は基本的に皮膚および気管を縦切開とし,左右の縫合糸をつり糸として気管切開孔が完成するまで維持した。体重3000gを超えれば余裕をもったカニューレ選択ができると考えられた。10例 (22.7%) で気管孔または気管内肉芽を認めたが,致死的な合併症は見られなかった。16例は原疾患のために死亡し,気管切開孔を閉鎖できたのは3例 (6.8%) のみであった。追跡可能で生存または転院した26例のうち,現在または転院時に人工呼吸器を使用していたのは11例,酸素吸入をしていたのは8例であった。<br>乳幼児の気管切開例は成人と比較して術中・術後に危険が多く注意が必要であるが,0歳児であっても厳重に術後まで管理を行えば大きな合併症はなかった。気管切開術を必要とする乳幼児は重篤な原疾患を背景に持つ症例が多く,特に0歳児の生命予後は決して良くはなく,生存例であっても呼吸補助が必要な症例が多かった。

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