頭頸部癌遊離再建術後の気管切開孔管理に関する検討

  • 那須 隆
    山形大学医学部 耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座
  • 小池 修治
    山形大学医学部 耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座
  • 野田 大介
    山形大学医学部 耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座
  • 石田 晃弘
    山形大学医学部 耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座
  • 欠畑 誠治
    山形大学医学部 耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Study of Airway Management with Tracheostomy Orifice in Patients with Head and Neck Cancer Undergoing Free Reconstructive Surgery
  • アタマ ケイブガン ユウリ サイケン ジュツゴ ノ キカン セッカイコウ カンリ ニ カンスル ケントウ

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抄録

2001年から2010年まで当科で再建手術を必要とする切除手術を行った頭頸部癌症例で,術後気管切開術を施行した症例71例を対象に,気管孔閉鎖までの期間,気道合併症について検討し,気管孔閉鎖の判断の要点について考察した。<br>気管孔閉鎖までの期間は,他癌に比較して中・下咽頭癌において長期に及ぶ傾向があり,再建材料に関する検討では,腹直筋皮弁,空腸再建例で有意に延長した。舌癌を代表にして,気管孔閉鎖までの期間と皮弁面積との関係を見ると,有意な相関係数をもつ正の相関関係を認めた。しかし,気道合併症症例の分布と気管孔閉鎖までの期間や再建材料との有意な関係は認められなかった。気道合併症の発症は,術後1週から2週間前後に,カニューレ交換時や気管孔閉鎖期に発症する症例が多かった。<br>以上より,中・下咽頭癌症例における遊離空腸再建術後や腹直筋皮弁再建症例においては,早期の気管孔閉鎖にとらわれず,嚥下機能を含め喉頭の状態を把握しながら閉鎖時期を判断する必要があると考えられた。

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参考文献 (3)*注記

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