気管および分岐部周辺腫瘍のアプローチと切除再建術式—端々吻合と縦隔気管瘻

書誌事項

タイトル別名
  • Surgical Treatment for Tracheal Tumor
  • 気管および分岐部周辺腫瘍のアプローチと切除再建術式 : 端々吻合と縦隔気管瘻
  • キカン オヨビ ブンキブ シュウヘン シュヨウ ノ アプローチ ト セツジョ サイケンジュツシキ : タンタン フンゴウ ト ジュウカクキカンロウ

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抄録

【目的】気管腫瘍例を発生部位によって頸部,縦隔,分岐部気管に分類し,アプローチ,治療法,手術術式について検討した。<br>【対象】1987~2010年,当科で気管腫瘍にて治療を行った55例を対象とした。<br>【結果】発生部位:頸部14例,縦隔8例,分岐部33例。治療 (手術/interventional pulmonology,重複あり):頸部10/8例,縦隔3/5例,分岐部23/14例。頸部気管手術10例中7例に根治術が施行され,気管管状切除3例,喉頭全摘+気管切除+縦隔気管瘻造設4例。アプローチは襟状切開だが,縦隔気管瘻造設時は襟状切開に正中切開を加えた。縦隔気管手術3例は全例気管管状切除を施行。右開胸が多いが,胸骨正中アプローチの場合もある。分岐部手術23例の再建方法は,管状全摘後端々吻合11例,端側吻合4例,Montage型分岐部再建4例,楔状切除4例。アプローチは右開胸20例,左開胸2例,胸骨正中切開1例。左肺切除が必要な症例では工夫を要し,clamshell approachの有効性も報告されている。<br>【結論】気管腫瘍の手術は発生部位,合併切除臓器によりアプローチを工夫する必要がある。切除長が広範囲な場合や喉頭切除も要する症例では,縦隔気管瘻造設となるが,可能な限り完全切除を行った方が良好な予後が期待できる。

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参考文献 (11)*注記

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