原発性副甲状腺機能亢進症114例に対する臨床的検討

  • 南 和彦
    埼玉医科大学国際医療センター 頭頸部腫瘍科・耳鼻咽喉科
  • 佐藤 進一
    倉敷中央病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 土師 知行
    県立広島大学保健福祉学部 コミュニケーション障害学科

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Analysis of 114 Patients Operated on for Primary Hyperparathyroidism
  • ゲンパツセイ フクコウジョウセン キノウ コウシンショウ 114レイ ニ タイスル リンショウテキ ケントウ

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抄録

副甲状腺に発生する副甲状腺腫瘍は比較的まれであるが,原発性副甲状腺機能亢進症の原因となることは広く知られており,内分泌疾患の中では頻度が高い疾患である。近年,血液生化学検査や画像検査の普及に伴い,無症状の原発性副甲状腺機能亢進症例が偶然発見される機会が増え,このような症例に対する手術件数も増加傾向であるが,原発性副甲状腺機能亢進症に対する本邦でのまとまった報告は少ない。<br>原発性副甲状腺機能亢進症に対して倉敷中央病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科で2000年~2011年までの12年間に手術を施行した114症例について検討した。術前局在診断率は94.7%であった。術前の平均血清Ca値は11.8mg/dlで,82.5%が無症候性であった。組織型は腺腫91.2%,過形成1.8%,癌1.8%,嚢胞1.8%であった。108例 (94.7%) で術後の血清Ca値が正常化したが,このうち11例 (9.6%) でintact PTH値は正常化しなかった。<br>術前に単一腺腫と診断することができれば病的副甲状腺のみを摘出するminimally invasive surgeryは97.0%の手術成功率であり,低侵襲で効率的な手術であると考えられた。しかし,術後にdouble adenomaの診断となった症例もあり,病的副甲状腺摘除の指標として術中intact PTH濃度測定が可能であればより治療成績を上げることができると考えられた。

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