高齢者に対する外科治療—頭頸部—

  • 林 隆一
    国立がん研究センター東病院 頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • Surgical Treatment for Elderly Patients with Head and Neck Cancer—Larynx Preservation Surgery for Elderly Patients—
  • 高齢者に対する外科治療 : 頭頸部
  • コウレイシャ ニ タイスル ゲカ チリョウ : アタマ ケイブ
  • Surgical Treatment for Elderly Patients with Head and Neck Cancer^|^mdash;Larynx Preservation Surgery for Elderly Patients^|^mdash;

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抄録

気管食道科領域における高齢者に対する外科治療について喉頭癌,下咽頭癌に対する喉頭温存手術を中心に述べた。1992年から2006年までに喉頭癌・下咽頭癌において初回治療として原発巣切除を行った症例は喉頭癌392例,下咽頭癌367例であった。75歳以上の患者に対する喉頭温存手術の適応は,喉頭癌では75歳から80歳までの症例に対して35例中12例 (34%) に行われ,80歳以上の症例に対しても3例 (12%) に実施されていた。一方,下咽頭癌では80歳以上の症例に対する再建手術を伴う喉頭温存手術はなく,内視鏡切除が2例 (15%) に行われた以外喉頭摘出となっており,高齢者に対する適応は喉頭癌に比べ難しいことが示された。高齢者における身体状況は個人によりそれぞれ異なってくるため,年齢の面から一概に喉頭温存手術の適応を決定することは難しい。高齢者の就労も社会的なテーマとなっていることから,高齢者であるからといって機能保持に消極的にならないことが必要である。

収録刊行物

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参考文献 (10)*注記

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