嚥下訓練開始時の状態と訓練の効果の関連について

書誌事項

タイトル別名
  • Factors Affecting Resumption of Oral Intake of Food in Patients Undergoing Swallowing Rehabilitation
  • 嚥下訓練開始時の状態と訓練の効果の関連について : 当院の嚥下訓練開始条件の妥当性の検討
  • エンカ クンレン カイシジ ノ ジョウタイ ト クンレン ノ コウカ ノ カンレン ニ ツイテ : トウ イン ノ エンカ クンレン カイシ ジョウケン ノ ダトウセイ ノ ケントウ
  • ―当院の嚥下訓練開始条件の妥当性の検討―

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抄録

<p> 過去8年間に嚥下訓練を施行した884例の集計と訓練開始時の状態と経口摂取再獲得の成否との関連につき調査した. その結果, 当院で嚥下訓練を施行した症例は徐々に増加傾向にあり, 70歳以上の症例が82.8%を占めており, 男性に有意に多いことが確認された (p=0.004). 基礎疾患は脳血管障害と呼吸器疾患が中心で, 訓練終了時の主な栄養経路が経口摂取であった症例は全体の56.3%で, 訓練の実施期間は30日以内が全体の60.5%を占めていた. 訓練開始時の状態と経口摂取再獲得の成否について検討したところ, (1) 患者自身に「食べたい」という意欲のある群は, ない群および意欲不明群に比較し経口摂取獲得率が有意に高く (p<0.001), (2) 意識レベルが JCS 3 桁の群は意識清明群, 1桁群, 2桁群に比較して経口摂取獲得率が有意に低く (p<0.001), (3) ADL (日常生活動作) が仰臥位の群は半座位可能群, 端座位可能群, 移乗可能以上群に比較し経口摂取再獲得率が有意に低い (p<0.001) ことが確認された. 多変量解析を行ったところ, 意欲, ADL, 意識レベルの順に経口摂取再獲得の成否との関連が強いという結果を得た. 本研究より, 当院では嚥下訓練を必要とする症例が増加傾向にあり, 患者自身の「食べたい」という意欲の有無, ADL のレベル, 意識レベルは経口摂取再獲得の成否に有意に関連することが確認された.</p>

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