高齢者の食道運動機能異常と治療

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タイトル別名
  • Pathophysiology and Treatments of Esophageal Functional Disorders in the Elderly
  • コウレイシャ ノ ショクドウ ウンドウ キノウ イジョウ ト チリョウ

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説明

食道運動機能障害は一次性食道運動機能障害と二次性食道運動機能障害とに大別される。一次性食道運動機能障害にはアカラシア,食道び慢性痙攣症,ナットクラッカー食道,hypertensive lower esophageal sphincter (hypertensive LES),非特異的食道運動機能障害などがある。非特異的食道運動機能障害の中で食道体部運動などが低下した一群をineffective esophageal motility (IEM) として分類することがある。近年,新たなる食道運動機能検査機器としてhigh resolution manometryが臨床応用され,食道運動機能疾患はさらに詳細に分類 (シカゴ分類) されるようになった。一方,高齢者のみに認められる特有の食道運動機能障害はないが,若年者と比較した場合には疾患ごとに特徴があり,文献的考察を行った。高齢者でよく認められる疾患に食道裂孔ヘルニアや逆流性食道炎があるが,しばしばIEMを合併する。外科的治療としては腹腔鏡下噴門形成術が有効であり,食道運動機能障害が改善することもある。また食道アカラシアではLESの弛緩不全と食道蠕動運動障害が認められるが,腹腔鏡下Heller-Dor手術がきわめて有効であり,症状の改善が得られる。

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参考文献 (13)*注記

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