気管食道領域の早期癌の診断と治療  早期食道癌の治療

書誌事項

タイトル別名
  • Special Issue of Diagnosis and Treatment of Early Tracheoesophageal Cancer Standard Treatments of Early Cancer of the Esophagus
  • 早期食道癌の治療
  • ソウキ ショクドウガン ノ チリョウ
  • Standard Treatments of Early Cancer of the Esophagus

この論文をさがす

抄録

食道の早期癌とは癌の浸潤が粘膜層にとどまる粘膜癌である。粘膜癌にはリンパ節転移が希で,40~50%の頻度で転移を伴う粘膜下層癌とは病態が異なる。臨床的な両者の鑑別は病型分類を適用することで可能である。隆起や陥凹が軽度な0-IIa型,0-IIc型,あるいは全く平坦な0-IIb型病変は粘膜癌の占める割合が極めて高い。高い隆起あるいは深い陥凹を示す0-I型あるいは0-III型病変の大部分は粘膜下層に明らかな浸潤を持っている。粘膜癌に対しては,食道温存治療が適応で,内視鏡的粘膜切除術が標準的治療法である。粘膜下層癌に対してはリンパ節転移が高率であるにもかかわらず臨床診断の難しい事実を考慮して,根治手術が行われている。化学放射線治療は粘膜癌,粘膜下層癌ともに有効であるが,治療法の標準化がなされておらず,合併症の評価も不十分である。今後の検討に期待したい。

収録刊行物

参考文献 (6)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ