外来診療の工夫―将来に向けて―

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  • 第118回日本耳鼻咽喉科学会総会シンポジウム 外来診療の工夫 : 将来に向けて : 鼻科領域
  • ダイ118カイ ニホン ジビ インコウ カガクカイ ソウカイ シンポジウム ガイライ シンリョウ ノ クフウ : ショウライ ニ ムケテ : ビカ リョウイキ
  • ―鼻科領域―

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抄録

<p> 外来診療の工夫における最終目標は, まず患者満足度を高めることであり, 次いで確かな技術を提供し疾患を可能な限り治癒に導くことである. さらに, 治療を行う医師のモチベーションの維持も重要な要素と考える. 当院では開院当初の2003年より電子カルテを診療に使用し日常業務の効率化を図っている. 同時にインターネットを経由して携帯電話やパソコンで当日の順番予約を取る受付順番取りシステムを採用し診療所内での待ち時間短縮を図るなど患者満足度を高める工夫をしている. 外来診療の電子化は運用面での注意が必要で, そこに対面職業であることの認識を新たにしたさらなる技術革新を期待したい. 副鼻腔炎治療においては, 副鼻腔炎治療用カテーテルを用いた洗浄療法をロシアで開発された従来品を改良し, 日本で作成されたシリコン製 ENT-DIB 副鼻腔炎治療用カテーテル® を用いて行っている. 耳鼻咽喉科医ならではの手技として適応症例に対して積極的に使用するとともに, 難病指定された好酸球性副鼻腔炎の術後治療への応用も検討している. 日本で作成されたカテーテルを用いて世界特にアジア地域への普及活動も視野に入れ研究会を立ち上げている. 診察医の診察意欲を高める工夫として勤務医時代から診療と手術に携わっていた病院で脳神経外科, 耳鼻咽喉科, 救命救急の専門医を取得されている医師と内視鏡下鼻内手術を中心に外傷症例や境界領域の手術に携わっている. 開業医が手術治療に携われる環境をつくることでモチベーション維持を試み, 新鮮な刺激と最新の知識を得て日々の診療意欲の高まりに結びつけている. 今後耳鼻咽喉科を専門とする医師の減少が見込まれる場合は手術に習熟した開業医が専門外来, 手術応援という形で病院業務の一端を担うシステムの構築は有用かもしれない. 将来に向けて取り組む課題は多いが, 日々の診療において継続した工夫を重ねていくことが重要と考える.</p>

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