大阪府立母子保健総合医療センター耳鼻咽喉科における小児喉頭気管分離術症例の検討

  • 津田 武
    大阪府立母子保健総合医療センター 耳鼻咽喉科
  • 廣瀬 正幸
    大阪府立母子保健総合医療センター 耳鼻咽喉科
  • 佐野 光仁
    大阪府立母子保健総合医療センター 耳鼻咽喉科

書誌事項

タイトル別名
  • Statistics on Laryngotracheal-separated Children at Osaka Medical Center and Research Institute for Maternal and Child Health
  • オオサカ フリツ ボシ ホケン ソウゴウ イリョウ センター ジビ インコウカ ニ オケル ショウニ コウトウキカン ブンリジュツ ショウレイ ノ ケントウ

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抄録

大阪府立母子保健総合医療センターでは喉頭機能不全を伴う重症心身障害児の治療を行っている。今回われわれは当科で喉頭気管分離術を施行した小児症例の臨床的検討を行った。対象は1982年1月から2010年10月までの過去28年間に当科にて気管切開術を施行した症例94例であり,その内訳は男性51名,女性43名であった。年齢は中央値56カ月(3~155カ月)であり,施行年齢が1歳未満の症例の内訳としては月齢3カ月1例,4カ月2例,6カ月3例,7カ月1例,9カ月2例,11カ月4例,12カ月3例であった。原疾患として最も多かったのは神経・筋疾患に伴うもので79例であった。気管切開術と同時に手術を受けた症例は52例,追加手術として喉頭気管分離術を受けた症例が42例であった。経過として94例中現在も入院中の症例が3例,入院中に死亡した症例が9例,退院した症例が82例であった。死亡症例の内訳として8例は原疾患の悪化によって,1例は腕頭動脈気管瘻による出血が原因で死亡した。退院症例の詳細な内訳として35例が転院,在宅へ移行した症例が47例であった。<br>また気管孔の状態として94例中35例は上記のとおり転院の経過となったため不明であった。追跡調査が可能であった症例は死亡例9例も含め59例全例気管孔の閉鎖は行うことができなかった。<br>術後の合併症としては肉芽形成が6例であり,気管狭窄が1例,腕頭動脈気管瘻が1例,気管皮膚瘻が1例あった。

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参考文献 (2)*注記

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