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タイトル別名
  • Laryngeal Cancer and Smoking
  • コウトウ ガン ト キツエン

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説明

<p>喉頭癌はたばこ関連癌のひとつであるが,非喫煙患者の占める割合が2.7%と極めて少なかったことからたばこの影響を非常に強く受けている癌と考えられ,禁煙による癌の一次予防が可能であると考えられていた。わが国の成人男性の喫煙率は1960年代には80%以上であったが,この半世紀の間に着実に低下し,2016年には29.7%と30%を下回るようになった。女性の喫煙率も漸減し18%から9.7%へ低下してきた。1960年代,喉頭癌の年齢調整罹患率 (/10万人) は2.8と,口腔癌と中・下咽頭癌を合わせた罹患率よりも高く,頭頸部癌の代表的疾患であったが,この間に,喉頭癌の罹患率は2.8から2.1に漸減した。同じ頭頸部癌の中でも,口腔,中・下咽頭癌は各々,1.2から3.8へ,0.1から1.7へ,0.2から1.6へと上昇し,喫煙率の低下を反映するように罹患率の低下を認めたのは喉頭癌のみであった。喉頭癌では喫煙率の低下が直接的に発癌率低下につながり,癌の一次予防がうまく進んできたものと考えられた。喉頭癌の一次予防の成功のためには,今後も積極的な禁煙運動の継続が重要である。</p>

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