骨代謝調節と骨粗しょう症研究の現状と展望

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タイトル別名
  • The Regulation of Bone Metabolism and the Pathogenesis of Osteoporosis
  • ロウネン イガク ノ テンボウ ホネ タイシャ チョウセツ ト コツソショウショウ ケンキュウ ノ ゲンジョウ ト テンボウ

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抄録

骨代謝研究は骨形成と骨吸収の調節とその相互関係の解明が中心となっている. また, 骨粗鬆症など種々の骨疾患の病態解明と治療薬開発は骨代謝に関する基礎研究の上に成り立っていると言えよう. 従来より, 骨吸収と骨形成を制御する種々のホルモンや薬物の作用が解析されてきたが, 最近になって, 骨吸収を行なう破骨細胞の分化を決定する因子であるODF/RANKLや骨形成を司る骨芽細胞の分化因子である Cbfal が発見され, 骨代謝研究は急速な進展を見せている. 一方, 閉経後骨粗鬆症の発症解明にはエストロゲンの骨代謝調節作用の解明が必須である. エストロゲンが欠乏すると骨吸収が亢進し, 急激な骨量減少に至る. エストロゲンの骨吸収抑制作用の分子メカニズムは不明な点が多いのが現状であるが, 骨吸収性サイトカインの産生亢進, 骨髄造血や免疫系との関連, 破骨細胞のアポトーシス誘導など多岐にわたる検討が進められている. また, 2種のエストロゲンレセプター (ERαとERβ) を介した作用について, ノックアウトマウスを用いた検討も進められている. この数年, 巻き起こっている骨代謝研究の新たな進展が骨粗鬆症の病態解明や治療薬開発に繋がると期待される.

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