中国森林関連統計の制度的実態と評価(総説論文)(シリーズ ゾーニングを考える)

書誌事項

タイトル別名
  • China's Forestry Statistics: System and their Evaluations (Review Article) (Series: Reflections on Zoning)
  • 中国森林関連統計の制度的実態と評価
  • チュウゴク シンリン カンレン トウケイ ノ セイドテキ ジッタイ ト ヒョウカ

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抄録

中国の森林関連統計は、計画経済時代、林業部門として一括された行政機構による実施・管理が行われていた。対して、改革・開放以降は、部門別の行政管理が弱くなり、森林関連統計の内容や集計システムも多様化する傾向にあった。本稿では、その多様化した統計を、実施主体や調査種類ごとに整理し、その現状における信憑性や問題点を評価する。まず、「森林資源調査」は、技術の発展に伴いサンプリングの量・範囲・精度ともに上がったと判断される。一方で、統計に上らない大量の中小企業が存在するため、生産量統計等の精度は疑問視される。特に、統計数値で示される政策の成果が、地方政府の政策担当者の業績に直結するという構図のため、地方政府の一部門としての統計部門が、地方の首長や各政策担当者の意向を完全に排除できているとは言い難い。対して、経済開放に伴う関税率の低下を通じて密輸のインセンティブが減少し、また検量基準も明確化されてきたことから、林産物貿易統計の信憑性は高くなっていると考えられる。

収録刊行物

  • 林業経済

    林業経済 62 (7), 14-29, 2009

    一般財団法人 林業経済研究所

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