書誌事項
- タイトル別名
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- A case of elderly-onset type 1 diabetes mellitus: negative for antiglutamic acid dehydrogenase antibody and positive insulinoma-associated tyrosine phosphatase-like protein-2 antibody
- 症例報告 抗GAD抗体陰性かつ抗IA-2抗体陽性を呈した高齢発症1型糖尿病の1例
- ショウレイ ホウコク コウGAD コウタイ インセイ カツ コウIA-2 コウタイ ヨウセイ オ テイシタ コウレイ ハッショウ 1ガタ トウニョウビョウ ノ 1レイ
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説明
症例は83歳,女性.78歳時の健診では空腹時血糖値90 mg/dl,HbA1c 5.7%(NGSP値)であった.80歳時より口渇・多飲・多尿・体重減少を認め,HbA1c 12.2%と高値を指摘され糖尿病と診断された.入院にて加療され,グリメピリド,メトホルミン内服にて血糖コントロールは良好となった.しかし81歳時には随時血糖433 mg/dl,HbA1c 9.2%と再度急激な悪化を認めた.当時抗GAD(glutamic acid decarboxylase)抗体は陰性であり,内因性インスリン分泌の低下は疑われるも1型糖尿病までの診断には至らなかった.インスリンデテミルの自己注射を導入し,内服薬併用で対応した.しかし血糖コントロールは悪化の傾向を認め,83歳時にはHbA1c 10.1%まで上昇した.血糖コントロール及び糖尿病診断及び治療の再評価目的にて入院.抗GAD抗体は再検にても陰性であったが,抗IA-2(insulinoma-associated antigen-2)抗体は50 U/mlと高値を呈していた.空腹時血清C-ペプチド(CPR)は0.2 ng/ml未満で検出されず,グルカゴン負荷試験にても上昇を認めなかった.尿中CPRも10 μg/日以下と,内因性インスリン分泌の低下を来していたことから,1型糖尿病と診断した.疾患感受性遺伝子のHLA DR9が陽性であることも1型糖尿病を示唆した.強化インスリン療法を導入することにより,血糖コントロールは改善を認めた.本症例は高齢発症の1型糖尿病であり,抗GAD抗体は陰性であるにも関わらず,抗IA-2抗体のみ陽性を呈した稀な症例であった.高齢者でインスリン治療が必要な糖尿病の鑑別診断上,抗IA-2抗体の測定が有用であった貴重な1例と考えられた.<br>
収録刊行物
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- 日本老年医学会雑誌
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日本老年医学会雑誌 50 (3), 404-408, 2013
一般社団法人 日本老年医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205023806464
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- NII論文ID
- 10031203259
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- NII書誌ID
- AN00199010
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- COI
- 1:STN:280:DC%2BC3sbislSltg%3D%3D
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- NDL書誌ID
- 024782838
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- ISSN
- 03009173
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- PubMed
- 23979349
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- PubMed
- CiNii Articles
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可