Brain science of water molecules

  • Nakada Tsutomu
    新潟大学脳研究所統合脳機能研究センター/カリフォルニア大学 Helen Wills 神経科学研究所

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Other Title
  • 水分子の脳科学
  • ロウネン イガク ノ テンボウ ミズブンシ ノ ノウ カガク

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Abstract

量子理論から場の理論へと展開された近代物理学は, 物が存在するということの数理科学的な意味づけを完了した. その後を継ぐように, 二十世紀に驚異的な進歩を遂げた複雑系科学は, 実存する脳がどのようにこころを生み出すかを明確に記載できるまで, あと一歩のところに来ている. 自然界に登場するどのような構造も, その構造に支えられた機能ユニットも, 決定論的単位ユニットの線形集合として捉えることは不可能である. 脳は複雑系の代表であり, 脳機能とは情報によって決定されていくパターン形成のようなものである. 脳の形態形成が熱対流の原則に従うとの発見は, 大脳皮質連合野が Kohonen のマップと呼ばれる非線形自己形成ニューラルネットと同等のアルゴリズムに従って, 連合記憶の自己形成を行っている可能性を強く示唆した. 同時に, 大脳皮質の連合記憶が生み出す高次脳機能の構築, 中でも, 意識の創造と覚醒の維持には, 水分子の動態が大切な役割を果たしていることも明らかになりつつある.

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