寒冷凝集素症を合併し,リツキシマブが奏効した脾臓辺縁帯リンパ腫

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タイトル別名
  • Successful treatment with rituximab in a patient with splenic marginal zone B-cell lymphoma accompanied by cold agglutinin disease
  • 症例報告 寒冷凝集素症を合併し,リツキシマブが奏効した脾臓辺縁帯リンパ腫
  • ショウレイ ホウコク カンレイ ギョウシュウソショウ オ ガッペイ シ,リツキシマブ ガ ソウコウ シタ ヒゾウ ヘンエンタイ リンパシュ

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抄録

81歳男性.息切れを主訴に来院.末梢血でHb 7.0 g/dL,網状赤血球6.4%,リンパ球20,003/μL, I.Bil 3.6 mg/dL,直接クームス陽性,寒冷凝集素8,192倍,著明な脾腫を認め,PET-CTで脾臓,骨髄に異常集積を認めた.骨髄穿刺及び生検で異型性のあるリンパ球の集簇を認め,表面マーカー解析ではCD5,CD10,CD20,κ+で免疫染色上cyclin D1であった.また,サザンブロット解析で免疫グロブリン重鎖の再構成を認めた.以上より寒冷凝集素症を合併した脾臓辺縁帯リンパ腫と診断した.リツキシマブを週1回,計4クール投与したところ,貧血は改善し,異常リンパ球は消失,脾腫も著明な縮小が見られた.一年後再発し,リツキシマブによる治療を再度施行し寛解した.脾辺縁帯リンパ腫に寒冷凝集素症を合併した報告は非常に稀である.脾辺縁帯リンパ腫に対する治療として,リツキシマブ療法は本例のような高齢者には第一選択として試みられるべき治療と考えられた.

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参考文献 (11)*注記

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