痴呆性高齢者の認知・言語コミュニケーション能力を短時間で測定する「ミニコミュニケーションテスト-MCT」の開発と信頼性・妥当性の検討
書誌事項
- タイトル別名
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- A new portable communication test (Mini-communication test) for dementia
- チホウセイ コウレイシャ ノ ニンチ ゲンゴ コミュニケーション ノウリョク オ タンジカン デ ソクテイ スル ミニ コミュニケーション テスト MCT ノ カイハツ ト シンライセイ ダトウセイ ノ ケントウ
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説明
高齢者の言語コミュニケーション障害に対し, 既存の測定指標項目から13項目の構成概念を抽出し, 短時間で測定出来る認知・言語コミュニケーションスクリーニングテスト (以下ミニコミュニケーションテスト) を開発し, その信頼性, 妥当性, 有用性を検討した.<br>介護療養型医療施設入院患者354名 (平均年齢81.9±8.3歳), および杏林大学医学部附属病院高齢医学入院患者名124名 (平均年齢80.3±8.1歳), 同大学高齢医学もの忘れ外来通院患者34名 (平均年齢76.5±7.0歳) を対象とした.<br>対象者の87.2%が得点可能であり, 平均実施時間は約7分であった. 各項目間の相関は0.34~0.86であった. 検者間信頼性の検討では, 測定に関する検者間の変動係数は10.7%, 相関はr=0.95と高値を示した. 繰り返し再現性は相関係数r=0.99と高値を示した. 内的整合性を示すクロンバッハα係数は0.93であり, 臨床使用に耐える信頼性をもつことが確認された. 妥当性に関しての検討では, Barthel Index との相関はr=0.65, 改訂長谷川式簡易知能評価スケールとはr=0.93, 意欲の指標とはr=0.66であり, 認知機能と特に高い相関を認めた.<br>高齢者のコミュニケーション能力には基本的ADL, 認知機能, 意欲など多くの要素が関与し, 総合的な評価が必要と考えられた. 本テストはその簡便性と臨床的信頼性・妥当性から, 高齢者の総合的機能評価のなかで言語コミュニケーション障害をスクリーニングする有力な評価法になりうると考えられる.
収録刊行物
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- 日本老年医学会雑誌
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日本老年医学会雑誌 40 (3), 274-281, 2003
一般社団法人 日本老年医学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205025588864
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- NII論文ID
- 10011241419
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- NII書誌ID
- AN00199010
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- NDL書誌ID
- 6609769
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- ISSN
- 03009173
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- PubMed
- 12822480
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- CiNii Articles
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可