濾胞性リンパ腫寛解中に発症したLymphomatoid Granulomatosis (LYG)の1例

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タイトル別名
  • Lymphomatoid Granulomatosis (LYG) Occurring in a Patient with Follicular Lymphoma during Remission

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説明

5年前に肝内の濾胞性リンパ腫(medium size)を発症し,放射線療法と化学療法の併用で寛解中の49歳の男性が,乾性咳嗽と胸部異常陰影を主訴に入院。表在性リンパ節腫脹や臓器腫大は認めず,画像診断で,右肺中下葉の腫瘤陰影と同側胸水を認めた。検査所見上はほぼ正常。開胸肺生検を施行し,Lymphomatoid Granulomatosis (LYG)と診断した。病変部の細胞は表面形質上T cellが主体であったが,clonalityは不明確であった。T細胞型リンパ腫との鑑別,および既往の濾胞性リンパ腫との関連を検討する目的でDNA解析を行った。濾胞性リンパ腫と診断したパラフィン包埋切片のPCR法による検討ではJHの再構成が認められたが,LYG病変部細胞には再構成バンドがみられなかった。prednisolone投与により,胸部腫瘤は消失し,以降CHOP療法を定期的に繰り返しており,病変は寛解の状態にある。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 33 (4), 507-513, 1992

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (1)*注記

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