マイコプラズマ肺炎に併発した寒冷凝集素性溶血性貧血の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Cold Agglutinin Hemolytic Anemia Complicating Mycoplasma Pneumonia.

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説明

症例は49歳男性,発熱,黄疸で近医入院,急速に貧血,呼吸困難が進行するため本院へ転院。結膜に貧血,黄疸あり,両肺野に湿性ラ音聴取,肝脾腫なし。検査でHb 4.6g/dl, Ht 13.9%, Ret 11.5%, 塗抹標本で赤血球凝集,球状赤血球を認めた。総ビ2.1 mg/dl, LDH 1,347 U(1型上昇),フェリチン1,223.2 ng/ml, ハプトグロビン38 mg/dl。胸部レ線上,両肺野にびまん性細粒状陰影あり。また,直接・間接クームス試験陽性,寒冷凝集反応2,048倍(抗I特異性),マイコプラズマ抗体640倍,抗グロブリン試験は,広範囲IgおよびC3で陽性,抗IgGで陰性であった。マイコプラズマ肺炎に合併した自己免疫性溶血性貧血と診断,保温に努めミノサイクリンとステロイド剤の併用にて肺炎像は消失,貧血も改善した。当時の気温の検討により,溶血には寒冷曝露が強く関与したと考えられた。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 33 (6), 801-805, 1992

    一般社団法人 日本血液学会

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