Hodgkin病とLDH‐Mサブユニット欠損症を合併した1症例

書誌事項

タイトル別名
  • Hodgkin's Disease Associated with LDH-M Subunit Deficiency.

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説明

症例は60歳男性。主訴は左頸部腫脹。昭和59年6月下旬主訴出現し,増大傾向がみられたため7月5日近医受診。左頸部リンパ節腫脹指摘され,リンパ節生検を施行。Hodgkin病(混合細胞型)と診断され,精査加療目的にて7月23日当科紹介入院となる。諸検査にて,病変は左頸部リンパ節腫脹のみでstage IAと診断。8月1日よりC-MOPP療法を2クール施行されCRとなり,10月1日退院となる。また入院時の血清および赤血球のLDH活性は,1型すなわちH4 1本しか存在せずLDH-Mサブユニット欠損症(ホモ型)と診断した。しかし,一般的にみられる筋硬直,ミオグロビン尿,皮膚病変などはみられなかった。その後外来にてC-MOPP療法6クールと40 Gyの放射線療法を施行されるも,昭和61年11月3日心不全にて死亡した。LDH-Mサブユニット欠損症は,今までに5家系の報告しかなく,Hodgkin病との合併例の報告はなくまれな症例と考えられたので報告した。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 32 (11), 1521-1525, 1991

    一般社団法人 日本血液学会

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