急性前骨髄球性白血病の治療法の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Treatment of Acute Promyelocytic Leukemia
  • 急性前骨髄球性白血病の治療法の検討--特にall-trans retinoic acidとrhG-CSFの使用について
  • キュウセイ ゼンコツズイキュウセイ ハッケツビョウ ノ チリョウホウ ノ ケン
  • —特にall-<i>trans</i> retinoic acidとrhG-CSFの使用について—
  • —Combined Use of All-<i>trans</i> Retinoic Acid and Granulocyte Colony-Stimulating Factor—

この論文をさがす

説明

われわれは,9例の急性前骨髄球性白血病(APL)の治療経験を通してAPLにおけるall-trans retinoic acid (ATRA), G-CSFの投与法を検討した。治療前の末梢血にAPL細胞を認めた症例6例中3例にATRA療法を単独先行したところレチノイド症候群を生じ,ステロイド大量療法を試みるも死亡,残る3例は化学療法を先行し,骨髄抑制期に芽球が残存したのでATRA, G-CSFを投与し寛解導入した。治療前の末梢血にAPL細胞を認めなかった症例の3例では,1例は化学療法を先行,後にG-CSFを併用し寛解導入し,ATRAの治療歴を有する1例はATRAに反応せず化学療法にも無効で死亡,1例は先にATRAを使用するも分化誘導効果不十分で,G-CSF併用にて寛解導入した。APLの治療では,ATRA, G-CSF, 化学療法を適切に組み合わせることが大切と思われた。また,治療前の末梢血にAPL細胞を認める症例でのATRA療法の際には,常にレチノイド症候群の併発に注意する必要がある。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 36 (6), 582-588, 1995

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (19)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ