同時期に発症した重複B細胞腫瘍例

書誌事項

タイトル別名
  • Double B-cell malignancies with simultaneous onset
  • 症例 同時期に発症した重複B細胞腫瘍例
  • ショウレイ ドウ ジキ ニ ハッショウ シタ チョウフク B サイボウ シュヨウレイ

この論文をさがす

抄録

非ホジキンリンパ腫(NHL)と形質細胞腫瘍をほぼ同時期に合併した症例を経験した。症例は,59歳の女性。1999年3月,腹部腫瘤と貧血を主訴に前医を受診。開腹腫瘤生検にてNHL (follicular center lymphoma, grade I, stage IIA)と診断され,CHOP化学療法を8コース施行され完全寛解した。しかし2000年3月に腹部腫瘤が再度出現し,当院に紹介入院した。腹腔鏡下にて生検を施行し,後腹膜の繊維化を伴うfollicular lymphoma(免疫染色にてLCA, L-26, bcl-2陽性)の再発と病理診断した。一方,前医入院時からM-componentを認めることから,骨髄穿刺を施行したところ,骨髄で形質細胞の増加,血清検査にてIgG-λ型M蛋白血症を認めたことから,smoldering myelomaの合併も診断した。生検組織ならびに骨髄細胞を用いたSouthern blot法にて,両者は異なるIgH遺伝子再構成バンドを有していた。よって,本例を二つの異なるB細胞腫瘍重複例と診断した。造血器悪性腫瘍において重複癌は希であり,興味ある症例と考えられた。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 45 (3), 218-222, 2004

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (17)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ