慢性骨髄性白血病非定型例の急性転化と推測されるフィラデルフィア染色体陽性白血病

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タイトル別名
  • Blast Crisis of Chronic Myelocytic Leukemia that Was Difficult to Differentiate from Ph<sup>+</sup> Acute Lymphoblastic Leukemia

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説明

当初,フィラデルフィア染色体(Ph)陽性の急性リンパ芽球性白血病(ALL)と診断したが,最終的に慢性骨髄性白血病急性転化(CML-BC)と考えざるを得なかった1女性例を経験した。発症時の芽球は骨髄有核細胞の82.2%を占め,ミエロペルオキシダーゼ(MPO)反応陰性,CD10, 19および34が陽性であり,骨髄染色体分析では分析細胞のすべてにPhを認め,majorおよびminor BCR/ABL m-RNAの両方が観察された。以上の所見からPh陽性ALLと暫定診断し,抗白血病化学療法を施行したところ血液学的に寛解が得られ,PhおよびBCR/ABL m-RNAともに一時消失したため,Ph陽性ALLと診断を決定した。しかしおよそ1カ月ののちに芽球の再増加が観察され,再増加した芽球はMPO陽性,CD13, 33が陽性でCD10, 19は陰性の骨髄芽球であった。以上の臨床経過から本例はPh陽性ALLよりも,リンパ芽球性および骨髄芽球性の2度のBCを続けておこしたCMLであったと最終的に診断した。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 40 (11), 1174-1180, 1999

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (10)*注記

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