同種骨髄移植後graft-versus-leukemia (GVL)効果により残存病変が消失し比較的長期の寛解が得られた急性型成人T細胞白血病

書誌事項

タイトル別名
  • Eradication of adult T-cell leukemia cells and maintenance of remission by the graft-versus-leukemia effect after allogeneic bone marrow transplantation
  • 症例 同種骨髄移植後graft-versus-leukemia(GVL)効果により残存病変が消失し比較的長期の寛解が得られた急性型成人T細胞白血病
  • ショウレイ ドウシュ コツズイ イショク ゴ graft versus leukemia GVL コウカ ニ ヨリ ザンソン ビョウヘン ガ ショウシツ シ ヒカクテキ チョウキ ノ カンカイ ガ エラレタ キュウセイ ガタ セイジン Tサイボウ ハッケツビョウ

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説明

症例は44歳の男性。2001年11月頃より感冒様症状と進行する倦怠感・脱力感を自覚し函館中央病院受診し,急性型成人T細胞白血病(ATL)の診断となった。CHOP-V-MMV等の多剤併用化学療法を施行されるも完全寛解に至らず,2002年6月6日HTLV-I抗体陰性の兄からHLA完全一致血液型不一致同種骨髄移植を施行された。Day16に生着したが,前処置後も継続して末梢血にATL細胞の残存を認め,Day20に施行した骨髄穿刺検査にても5.7%のATL細胞の残存を認めた。このためgraft-versus-leukemia (GVL)効果を期待して免疫抑制剤をDay24に中止したところ,Day40の骨髄所見にてATL細胞の消失を認めた。その後,grade IIIの急性腸管graft-versus-host disease (GVHD)を発症したが免疫抑制剤再投与により軽快し,Day188に退院,現在完全寛解を維持したまま外来経過観察中である。本症例においては,免疫抑制剤早期中止によってその後発症したGVHDに伴うGVL効果も,急性型ATLの非寛解期移植でありながら比較的長期間寛解が維持できている大きな理由と考えられた。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 45 (9), 1044-1047, 2004

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (15)*注記

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