ATG療法が奏効した赤芽球癆

書誌事項

タイトル別名
  • Successful treatment of idiopathic pure red cell aplasia with antithymocyte globulin
  • 症例 ATG療法が奏効した赤芽球癆
  • ショウレイ ATG リョウホウ ガ ソウコウ シタ セキガキュウロウ

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説明

症例は18歳,女性。1999年10月16日に貧血のため当院に入院した。入院時検査所見はHb 3.8 g/dl, Ht 11.1%, Ret 2,200/μl, WBC 3,500/μl, Plt 38.5×104lであり,骨髄は正形成で(NCC 20.0×104l), Mgk 144/μl, 赤芽球が著減しており,赤芽球癆と診断した。10月20日からステロイドパルス療法を施行したが反応なく,11月1日よりシクロスポリン(CyA) 400∼450 mgの投与を開始した。しかしCyA投与にも反応なく12月1日からCyA 450 mgとPSL 60 mgに加えて抗胸腺細胞グロブリン(Antithymocyte globulin: ATG) 800 mg/日,5日間投与を開始した。ATG投与開始第7日目には網赤血球が増加し始め,20日目には32.6×104lと最高値に達した。第13日目にはHbも増加し始め,第27日目には8.5 g/dlにまで回復し12月27日退院となった。2000年12月14日現在,Hb 11.9 g/dlと経過良好である。難治性赤芽球癆に対しATG療法が有効であった詳細な報告としては本邦第1例目の報告である。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 42 (11), 1122-1127, 2001

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (19)*注記

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