骨髄限局増殖を来したT細胞性顆粒リンパ球白血病

  • 片山 義雄
    神戸大学大学院医学系研究科 血液内科学分野
  • 岡村 篤夫
    神戸大学大学院医学系研究科 血液内科学分野
  • 西川 真一郎
    神戸大学大学院医学系研究科 血液内科学分野
  • 波戸 章郎
    神戸大学大学院医学系研究科 血液内科学分野
  • 下山 学
    神戸大学大学院医学系研究科 血液内科学分野
  • 山本 克也
    神戸大学大学院医学系研究科 血液内科学分野
  • 林 祥剛
    神戸大学医学部附属医学医療国際交流センター 国際遺伝医学研究分野
  • 松井 利充
    神戸大学大学院医学系研究科 血液内科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Bone marrow-restricted involvement of T-cell granular lymphocyte leukemia
  • 症例報告 骨髄限局増殖を来したT細胞性顆粒リンパ球白血病
  • ショウレイ ホウコク コツズイ ゲンキョク ゾウショク オ キタシタ Tサイボウセイ カリュウ リンパキュウ ハッケツビョウ

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抄録

症例は66歳女性。多発性骨痛と骨髄に限局したリンパ球増殖を認めた。顆粒を特徴とする形態とマーカー上CD4・CD8陰性ながら,CD3・TCRαβ・granzyme B陽性,組織診などより,骨髄線維症を伴うT細胞性顆粒リンパ球白血病(T-cell granular lymphocytic leukemia: T-GLL)との診断を得た。これらの細胞は表面に突起を持ち,CD3のみでなくCD20も同時に陽性であった。CD3/CD20共陽性細胞は末梢血には認められなかった。fludarabineによる治療が行われ,3ヶ月にわたり緩徐な血球回復が得られた。治療後も骨髄リンパ球数は減少せず,表面マーカー上CD3/CD20共陽性の腫瘍細胞が殆どであったが,形態学的には顆粒を持たない正常リンパ球と区別しにくい細胞の割合が大きく増加しており,これらも腫瘍細胞と考えられた。診断上,末梢性T細胞リンパ腫との鑑別が難しい特異な症例と思われ,考察を加え報告する。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 48 (7), 576-580, 2007

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (13)*注記

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