髄外性病変により腎後性腎不全を合併した劇症型多発性骨髄腫

書誌事項

タイトル別名
  • Aggressive phase multiple myeloma with post-renal acute renal failure due to multiple extramedullary plasmacytomas
  • 症例報告 髄外性病変により腎後性腎不全を合併した劇症型多発性骨髄腫
  • ショウレイ ホウコク ズイガイセイ ビョウヘン ニ ヨリ ジンゴセイ ジンフゼン オ ガッペイシタ ゲキショウガタ タハツセイ コツズイシュ

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抄録

症例は63歳,女性。2003年10月に多発性骨髄腫(MM), IgG-κ型,stage IIIAと診断,VAD療法3コースとデキサメタゾン大量療法(HDD) 1コースにて部分寛解となり,以降MP療法を施行した。2004年11月より脊柱管狭窄症状出現,12月下旬より腎機能障害出現し,無尿となった。CTにて後腹膜に多数の腫瘍性病変と,両側尿管圧迫による水腎症を認めた。右腎瘻造設後,HDD, cyclophosphamide, vincristine, doxorubicinによる化学療法を施行したところ,一旦は腎機能の改善を認めたが,day41に原疾患のため死亡した。剖検では,13q-とt (4;14) (p16;q32)の核型異常を有する骨髄腫細胞から成る多数の腹膜,後腹膜,骨盤腔腫瘍を認めた。本例は末期に多数の髄外性病変が生じ,それによる腎後性腎不全を来した劇症型多発性骨髄腫の希少な症例と考えられた。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 48 (7), 565-570, 2007

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (15)*注記

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