ATRAで初回寛解導入を行い,第二寛解期以降に造血幹細胞移植を施行した急性前骨髄球性白血病の臨床的検討

書誌事項

タイトル別名
  • Hematopoietic stem cell transplantation in the second or later complete remission in acute promyelocytic leukemia initially treated with all-<i>trans</i> retinoic acid
  • 臨床研究 ATRAで初回寛解導入を行い,第二寛解期以降に造血幹細胞移植を施行した急性前骨髄球性白血病の臨床的検討
  • リンショウ ケンキュウ ATRA デ ショカイカンカイドウニュウ オ オコナイ ダイ2カンカイキ イコウ ニ ゾウケツ カンサイボウ イショク オ シコウ シタ キュウセイ ゼン コツズイキュウセイ ハッケツビョウ ノ リンショウテキ ケントウ

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説明

急性前骨髄球性白血病(APL)に対し,初回寛解導入療法でレチノイン酸(ATRA)を投与しても,約20%の患者で再発が起こるとされている。再発APL患者に対しては,化学療法併用下でのATRA再投与,またはヒ素の投与で第二寛解が得られることが多い。第二寛解期には,造血幹細胞移植が広く適応となっているが,自家移植と同種移植のどちらが優れるかについての結論は今のところ得られていない。<br>われわれは,初回寛解導入療法でATRAを投与したものの再発し,第二寛解期に入った後に自家移植(4例)または同種移植(4例)を施行した8例のAPL患者の治療成績について解析を行った。<br>同種移植施行例の平均年齢は39歳。移植施行直前の微小残存病変(MRD)は,陽性1例,陰性3例であった。全例で生着が得られたが,2例は6ヵ月以内に移植合併症で死亡した。残る2例は分子生物学的寛解を維持している。自家移植施行例の平均年齢は48歳。移植施行直前のMRDは全例で陰性であり,また全例とも分子生物学的寛解を維持している(平均観察期間3年9ヵ月)。<br>MRD陰性の再発APL患者に対する自家移植の成績は良好であった。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 46 (10), 1095-1099, 2005

    一般社団法人 日本血液学会

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