赤芽球癆の病態と治療

  • 澤田 賢一
    秋田大学医学部内科学講座 血液・腎臓・膠原病内科学分野 (第3内科)

書誌事項

タイトル別名
  • Pure red cell aplasia: Clinical manifestations and treatment
  • セキ ガキュウロウ ノ ビョウタイ ト チリョウ

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説明

赤芽球癆 (pure red cell aplasia: PRCA) の発症機序には遺伝子異常, 感染, 自己免疫, 幹細胞自体の異常などが推定されてきた。近年, PRCAの先天性疾患であるDiamond-Blackfan貧血で, 遺伝子変異のホットスポットが同定された。自己免疫的機序のうち抗体介在性では, エリスロポエチン投与を受けている慢性腎不全患者において, 抗EPO抗体によるPRCAの報告が増加している。また, 細胞介在性では赤芽球の選択的障害の原因のひとつとしてMHC class I受容体の関与が報告され, PRCAの病因に関する研究は著しく進展している。臨床面においては, わが国で大規模なアンケート調査が行われた。その結果, 特発性PRCAの治療薬としてシクロスポリンがプレドニゾロンに比較して寛解導入率, 寛解持続期間の両者において, より優れていることが明らかにされている。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 47 (11), 1438-1445, 2006

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (59)*注記

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