多臓器に再発を認めた,大腿骨原発de novo CD5陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫

書誌事項

タイトル別名
  • Multiple organ relapse in primary de novo CD5+ diffuse large B cell lymphoma of the bone after a complete response
  • 症例 多臓器に再発を認めた,大腿骨原発de novo CD5陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
  • ショウレイ タゾウキ ニ サイハツ オ ミトメタ ダイタイコツ ゲンパツ de novo CD5 ヨウセイビマンセイ ダイ サイボウガタ B サイボウ リンパ シュ

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抄録

症例は57才女性。大腿部腫脹が認められた為,MRI施行した。髄内病変が骨幹から遠位端までひろがり,遠位端では骨外に腫瘍を形成しT1, T2強調画像でlow intensityであった。生検結果,異常リンパ球の増殖が認められ,免疫組織染色,flow cytometoryの結果LCA+, CD3-, CD19+, CD5+, IgM+, IgD-, kappa+, cyclinD-であった。間期核FISH法で(11;14)(q13;q32)の転座は認められずde novo CD5+ diffuse large B cell lymphoma, 臨床病期stageIEA, IPI: low intermediateと診断確定した。2コースCHOP療法を施行したが,病変の拡大を認め,大腿骨の病的骨折を起こした為,髄内固定術を施行した。salvage therapyとしてESHAP療法後に放射線療法(total 40Gy)を施行した。治療終了後の効果判定はcomplete responseであった。治療終了約1ヶ月後,心窩部痛を主訴に当科を受診した。MRI施行したところ,膵,腎臓に腫瘍,骨盤リンパ節の尿管閉塞による水腎症を認めたが,大腿部に腫瘍は認められなかった。病変はT1, T2強調画像で低信号域でありガドリニウムによる造影効果は認められなかった。骨盤リンパ節生検をおこなった結果,再発と診断した。再発前と同様の治療であるESHAP療法施行し,MRIにて膵臓腫瘍,骨盤内リンパ節腫脹の消失,腎腫瘍の壊死像を認めた。De novo CD5+ diffuse large B cell lymphomaはdiffuse large B cell lymphomaの中でも急激な臨床経過をとる一群に分類され,今後確立した治療戦略が要求されると思われた。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 45 (2), 149-154, 2004

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (14)*注記

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