TIM-3/galectin-9によるautocrine loopは骨髄系白血病幹細胞の自己複製を強化し白血病進展に寄与する

書誌事項

タイトル別名
  • A TIM-3/galectin-9 autocrine stimulatory loop drives self-renewal of human myeloid leukemia stem cells and leukemia progression
  • TIM-3/galectin-9 ニ ヨル autocrine loop ワ コツズイケイ ハッケツビョウ カンサイボウ ノ ジコ フクセイ オ キョウカ シ ハッケツビョウ シンテン ニ キヨ スル

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抄録

白血病幹細胞は自己複製能と白血病細胞への分化能を有する白血病の本体ともいえる細胞である。我々はヒト急性骨髄性白血病における白血病幹細胞特異的表面抗原としてTIM-3を同定したが,その白血病幹細胞における機能は不明であった。本研究では,TIM-3を発現するヒト白血病幹細胞がTIM-3リガンドであるgalectin-9を分泌するautocrine様式にて,自身にTIM-3シグナルを生じるというユニークなautocrine stimulatory loopの存在を見出した。このTIM-3シグナルは,がん幹細胞の自己複製に重要な役割を担うことが知られているNF-κBとβ-cateninの共活性化をTIM-3+白血病幹細胞に生じていた。さらにこのautocrine loopは,急性骨髄性白血病のみならず,ヒト骨髄系腫瘍全般においてTIM-3発現異常造血幹細胞がクローンサイズを拡大させていく過程で利用されている可能性が示唆された。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 57 (4), 412-416, 2016

    一般社団法人 日本血液学会

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