ATL研究の現状 —発症予防と個別化治療へ向けた展開—

  • 渡邉 俊樹
    聖マリアンナ医科大学大学院 先端医療開発学分野,難治疾患治療研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Current status of ATL research: efforts for prevention and precision medicine for ATL
  • ATL研究の現状 : 発症予防と個別化治療へ向けた展開
  • ATL ケンキュウ ノ ゲンジョウ : ハッショウ ヨボウ ト コベツカ チリョウ エ ムケタ テンカイ

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抄録

<p>ATLの治療は,新規薬剤の参入や血液幹細胞移植の積極的導入などの動きを受けて,様々な治療研究が進められて活性化している。しかしながら,患者の生命予後の改善はいまだに限界がある。この現状を踏まえて,ATLの治療戦略に関する枠組みの見直しを検討する時期であると考える。新たな戦略構築には,ウイルスの感染から感染Tリンパ球のクローン性増殖,ゲノムおよびエピゲノムの異常の蓄積を経て腫瘍性増殖に至るin vivoの現象に関する知見に基づいて,感染予防・発症予防・個別化治療の全体を有機的に連携した枠組みを考えるべきである。その実現を可能にする必須の基盤の一つとして,ATL発症高危険群を「慢性活動性HTLV-1感染症」という新たな疾患概念として捉え直すことを提唱し,新規の知見を基盤とした新たな診断と発症予防・治療への展開につながる研究の現状を紹介する。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 58 (10), 2012-2019, 2017

    一般社団法人 日本血液学会

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