MPNの分子病態と治療の最前線 —遺伝子変異情報の臨床への還元—

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of mutation on diagnosis, risk stratification, and treatment decisions in Philadelphia-negative myeloproliferative neoplasms
  • MPNの分子病態と治療の最前線 : 遺伝子変異情報の臨床への還元
  • MPN ノ ブンシ ビョウタイ ト チリョウ ノ サイゼンセン : イデンシ ヘンイ ジョウホウ ノ リンショウ エ ノ カンゲン

この論文をさがす

説明

<p>骨髄増殖性腫瘍の病態において,遺伝子変異は中心的な役割を果たす。遺伝子変異のうち,JAK/STAT経路を直接的に活性化するJAK2V617F変異,MPL変異およびCALR変異はドライバー変異とも呼ばれ,直接的に骨髄増殖性腫瘍の発症に関わることが想定されている。一方,DNAのメチル化,クロマチン機能制御およびRNAスプライスに関わる分子についても比較的高頻度に遺伝子変異を伴う。これらの遺伝子変異は,非ドライバー変異とも呼ばれ,骨髄増殖性腫瘍の形質の決定や病勢進行に関与すると考えらえている。遺伝子変異情報は骨髄増殖性腫瘍の臨床においても重要な意義をもつ。すなわち,遺伝子変異解析の結果は診断,リスク分類,予後予測,治療法の選択さらには治療のモニタリングなどに活用されつつある。今後,遺伝子解析情報をさらに臨床に還元していくにあたっては,遺伝子解析方法や解析結果の報告などの標準化・統一が課題であると考えられる。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 58 (10), 1931-1940, 2017

    一般社団法人 日本血液学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ