エルトロンボパグを使用した難治性特発性血小板減少性紫斑病の後方視的検討

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タイトル別名
  • Retrospective analysis of eltrombopag for the treatment of refractory primary immune thrombocytopenia in Japan
  • 臨床研究 エルトロンボパグを使用した難治性特発性血小板減少性紫斑病の後方視的検討
  • リンショウ ケンキュウ エルトロンボパグ オ シヨウ シタ ナンチセイ トクハツセイ ケッショウバン ゲンショウセイ シハンビョウ ノ コウホウ シテキ ケントウ

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抄録

経口低分子トロンボポエチン受容体作動薬エルトロンボパグは既治療の特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocytopenic purpura, ITP)に対する新規薬剤である。今回,大阪府下の4施設においてエルトロンボパグを使用したITP 22例の後方視的な解析を行った。観察期間の75%以上の期間で血小板数が5万/μl~40万/μlに維持できた場合を有効と定義した。本人希望により投与を中断した2例を除いた20例中13例(65%)で有効であった。有効であった13例のうち10例がプレドニゾロン換算で5 mgを超えるステロイド剤を内服していたが,そのうち7例で5 mg以下に減量が可能であった。治療前に出血症状が認められた19例中11例で出血症状の消失および改善を認め(エルトロンボパグ有効例10例中9例,無効例7例中2例),エルトロンボパグ有効例で有意に出血症状の改善が多かった(p=0.018)。エルトロンボパグの有効性に関連する因子の解析を行ったが,有意な因子は認められなかった。有害事象として発熱が1例,全身倦怠感が3例,頭痛が2例,筋肉痛が1例に生じた。重篤な有害事象として脳血栓が1例に生じた。エルトロンボパグは難治性ITPに対して有用な治療薬と考えられるが,長期的治療効果ならびに合併症を見極めた上で,ITP治療戦略上の位置づけを評価する必要がある.

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 54 (5), 444-450, 2013

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (14)*注記

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