日本におけるくすぶり型骨髄腫の後方視的研究

  • 高松 泰
    福岡大学病院 腫瘍・血液・感染症内科
  • 牟田 毅
    地域医療機能推進機構九州病院 血液・腫瘍内科

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical courses and risk factors for progression of smoldering multiple myeloma: a nationwide cohort study in Japan
  • 日本におけるくすぶり型骨髄腫の後方視的研究 : 症候性骨髄腫へのリスク因子を中心に
  • ニホン ニ オケル クスブリ ガタ コツズイシュ ノ コウホウ シテキ ケンキュウ : ショウコウセイ コツズイシュ エ ノ リスク インシ オ チュウシン ニ
  • ―症候性骨髄腫へのリスク因子を中心に―

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説明

日本人のくすぶり型骨髄腫(SMM)の患者数および症候性骨髄腫へ進行するリスク因子を調べる目的で,後方視的研究を行った。中間解析の時点で207症例が登録された。年齢は中央値69歳(27~90歳)で,男性97例/女性110例,IgG型168例/IgA型30例/BJ型9例であった。5年間で53%の患者が症候性骨髄腫へ進行した。従来の報告と同様に血中M蛋白が3 g/dl以上,骨髄中の形質細胞割合が10%以上,血清遊離軽鎖(FLC)比>8または<0.125の3因子をもつ患者は進行リスクが高く,3年以内に55%が症候性骨髄腫へ進行した。また血清M蛋白の増加率が進行するまでの期間に逆相関し,2 mg/dl/日以上の速度で血清M蛋白が増加する患者は5年以内に100%が症候性骨髄腫へ進行した。血清M蛋白の増加率はSMMが症候性骨髄腫へ進行するリスクを層別化する因子になり得ると考えられた。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 56 (8), 1005-1010, 2015

    一般社団法人 日本血液学会

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